震災予防調査会は、明治25年、当時の文部省内に設立されました。
その前年、明治24年に起こった濃尾地震を機に、後の東大教授・松澤武雄氏の提唱によるものです。
地震の仕組みもわからなかった時代に、こうした機関が設立されたのは画期的といえます。
震災予防調査会の主な目的は、震災の予測と予知にあります。
現実には地震を予測し、予知することなど不可能なのですが、この時代ではそれができると考えられていました。
震災予防調査会は、設立後、30年にわたって日本の地震学をリードしてきました。
日本最大の震災といわれる関東大震災の統計資料をまとめたのも、この震災予防調査会です。
震災予防調査会報告100号といわれるもので、これ以前に震災被害を統計的にまとめたものはなかったのです。
震災直後に、これだけのデータをまとめるなど容易なことではありません。
震災予防調査会がまとめた100号報告書は、日本における統計的データの始まりといってもいいでしょう。
それ以後も、次々と学術的調査を実施し、さまざまな方面に多大な貢献をしてきました。
震災における草分け的存在ともいえ、震災予防調査会の資料のおかげで、過去の震災の状況を科学的に知ることができます。
震災予防調査会
トラックバック(0)
このブログ記事を参照しているブログ一覧: 震災予防調査会
このブログ記事に対するトラックバックURL: http://itosui.com/mt41open/mt-tb.cgi/388